中高生アスリートのプロテイン活用

 

今回は、大人への準備期である中高校生アスリートのプロテイン活用方法についてお話します。プロテインについて詳しく知らない方は、子どもにプロテインを飲ませていいの?中学生はまだ早すぎない?と思われています。確かに、間違った知識やタレコミを基にしてプロテインの飲ませているご家庭も多いです。成長期の正しい食事のとり方、栄養の考え方を理解した上で、上手にプロテインと付き合って欲しいと考えています。

今回のこの記事を最後まで読むことで、

  • 成長期に必要な栄養素は何か
  • プロテインの正しい飲み方、タイミング
  • 成長期にあったプロテインの選び方

が理解できます。成長期のアスリートを育てるご家族は、必ず参考にされて下さい。

 

中高生アスリートの現状

私は高校生の部活を訪問して体組成計の測定を行っています。今の高校生アスリートは、ほぼ全員がプロテインを飲んでいる状況です。上を目指すアスリートであれば、中学生から飲んでいます。しかしながら、なぜ自分にプロテインが必要なのかを理解している学生は少ないです。

それは何故か。一つは、自分の体型を知らいないのに、プロテインを飲んでいる事。もう一つは、親がプロテインの知識をそのまま教えて飲ませているです。

中高生は、成長期なので大人とは必要な栄養が違います。海外製の安いプロテイン、国内製のタンパク質含有量だけを重視したプロテインを子どもに与えているならば、すぐに辞めて下さい。たんぱく質以外の添加物も理解された上で、プロテインは選択するべきです。なぜタンパク質が中高生に必要なのか。どんな筋肉にしていきたいのか。成長期のアスリートに必要な栄養の知識を知ったうえで、プロテインを有効に活用して頂きたいと考えています。

 

中高生アスリートに必要な栄養

 

まず、中高生アスリートに必要なのは、炭水化物(糖質ふくむ)です。

 

 

中高生のスポーツは多くのエネルギーを消費します。そのエネルギーは、肝臓や筋肉に蓄えられているグリコーゲンを分解して利用しており、激しいトレーニングを行うと、グリコーゲンを消費します。グリコーゲンは無限に蓄えられないため、消費したグリコーゲンは食事で回復する必要があります。その回復に必要なのは、炭水化物(糖質)です。

 

中高生アスリートの1日のカロリーの半分は、炭水化物にする必要があります。高校生になると、基礎代謝量(運動せずとも消費するカロリー)だけで3000kcalとなります。そのため、トレーニングを行いつつ、身体を大きくしようと思えば、5000kcalは摂取しなければなりません。その場合、約2500kcalは炭水化物という事になります。よくファストフードはダメと言われますが、手軽にカロリーを摂れる点を考えると、私はうまく利用していいと思います。

かの有名なイチロー選手も、体重が減る夏場はマクドナルドのマックを食べていたと、テレビで言ってました。夏場は痩せてグリコーゲンが減ってしまうため、体力が落ちる傾向にあります。

 

糖質の摂取が大事と言ってますが、お菓子やジュースで糖質を摂取することはお勧めできません。お菓子やジュースの糖質は、食後血糖値が急上昇するため、エネルギーに変換されにくいと言われます。ただ単に、糖尿病リスクを高めているだけとも言えます。

 

学生アスリートに必要なエネルギーは、ご飯やパンを中心に摂るようにしてください。繰り返しますが、炭水化物によるエネルギーの蓄積と回復が、中高生アスリートには必要です。

 

炭水化物で身体を大きくしようと説明してきましたが、スポーツによっては大きいだけの筋肉だとパフォーマンスを落とす競技もあります。どの体系のアスリートになりたいかのか。それによって、栄養の取り方は変わってきますし、トレーニング方法も異なります。

 

摂取カロリーを増やして大きい身体を作りたい場合は、高糖質、高たんぱく質の食事を意識します。さらに、高負荷の筋力トレーニングを併用します。ラグビー選手のトレーナーや栄養士は、トレーニング後におにぎりを食べるように指導します。これは、カラダを大きくするためです。「飯トレ」が有名です。

 

一方で、大きいだけでなく、俊敏性も必要な競技であれば、細くてもコアのしっかりとした筋肉を作るような栄養を意識します。体重を増やさない程度の糖質と、高たんぱく質を摂取します。トレーニングも、有酸素運動や柔軟体操が大事です。グリコーゲンの蓄積と、ミトコンドリアの動員を増やすことを意識します。

 

ここで、体脂肪について述べていきます。脂肪は、糖質の次にエネルギーとして利用可能な栄養素です。男性であれば、体脂肪率6-10%が理想です。女性であれば、15%くらいが目標となります。私の関わっている高校生で、体脂肪率4%の子がいましたが、少なすぎても良くないです。

糖質がエネルギーとして利用されますが、糖質のエネルギーはスタミナがありません。そこで、全身に蓄積している脂肪を分解してエネルギーとして利用することで、長時間の運動が可能となります。ある程度は必要な脂肪ですが、多すぎると体重が増えてパフォーマンスに影響を与えます。

まずは体組成計で自分の体脂肪率、内臓脂肪面積、四肢の脂肪を把握して下さい。全身の体脂肪率だけだと、アスリートの体つくりをサポートする上で情報が少なすぎます。自身の身体を知り、理想の体型を目指しましょう。

 

中高生アスリートの身体作りを行う上で、たんぱく質はとても大事です。筋肉の80%はアミノ酸(たんぱく質が分解されてアミノ酸となる)で構成されています。筋肉の栄養は糖質ですが、筋肉の成分はたんぱく質です。筋肉の合成には、たんぱく質が欠かせません。アスリートは多くのたんぱく質を必要とするので、体重1㎏あたり2gのたんぱく質を1日で摂取する事が求められます。体重60kgであれば、1日120gのたんぱく質が必要となります。

 

たんぱく質は、就寝中に多く消費されます。たんぱく質は筋肉だけでなく、皮膚や髪、細胞、免疫細胞にも多く利用されています。酵素やホルモンもたんぱく質です。寝ている間にたんぱく質が枯渇することは絶対に避けたいので、夕ご飯はしっかりたんぱく質を補給して下さい。

朝食でもしっかりとたんぱく質を摂る事をオススメします。就寝中にたんぱく質が消費されているので、朝はたんぱく質が不足しています。中高生は朝練や朝課外があるので、朝食を食べない子も多いです。食べても、パンだけとか。例えば朝パンだけ摂りましたとすると、炭水化物は摂取できるので、エネルギー補給にはなりますが、たんぱく質は枯渇したまま、昼食まで過ごすことになります。

後で述べますが、たんぱく質が不足したまま筋トレをしてしまうと、逆に筋肉を減らすことになります。

 

たんぱく質は、他の栄養素に比べて単価が高いです。中高生の育ち盛りに、必要なたんぱく質を摂取させようと思えば、1人1日500円は普通にかかります。単純計算ですが、たんぱく質だけで月15,000円は、家計にも大きな負担となります。なので、安価にたんぱく質を補給できるプロテインを利用することをオススメしています。

 

ホエイプロテイン

 

 

プロテインについて触れておきます。中高生アスリートが飲用しているプロテインは、ホエイプロテインです。ホエイとは乳清のことで、ヨーグルトの透明な液体がそれに相当します。ホエイには豊富なたんぱく質が含まれており、ろ過、乾燥などの処理を行うことでパウダーに造粒しています。それが、ホエイプロテインです。

プロテインは人工的に作られた身体に悪いイメージをお持ちの方もいますが、生乳から作られる自然由来の食品です。パウダーにすることでとても吸収が早く、筋肉の合成を促す必須アミノ酸も豊富です。

 

筋肉は、つねに同じ状態を保っていません。筋肉(筋細胞)は、増えると減るを繰り返しています。増える、減るの要因は様々ですが、その一つはたんぱく質の摂取状況となります。筋トレや食事を行うと、筋肉の増える(同化作用)が促されます。一方で、空腹やたんぱく質不足の状態だと筋肉は減る(異化作用)方に傾きます。たんぱく質を摂取する事は、それ自体が筋肉を保つことに繋がります。

 

 

多くのアスリートは、レジスタンストレーニング(筋トレ)を行いますが、この時にたんぱく質の摂取状況により、筋肉の増え方が異なります。もし、高負荷のレジスタンストレーニング(筋トレ)を行った前後に、たんぱく質の摂取が不十分であれば、思ったような効果が得られません。

 

常にたんぱく質は体内に補給しておく事が理想です。そのために、手軽に摂れるホエイプロテインを利用して頂きたいです。

 

ホエイプロテインを摂取するタイミングとしては、まず朝食です。朝ごはんにたんぱく質を摂れる人は必要ないですが、前述したように忙しくて摂れない人は、プロテインで最低限のたんぱく質を摂取する事が出来ます。筋トレ前後にプロテインを摂る事は周知されていますが、筋トレしない日も、間食としてホエイプロテインを摂取するようにして下さい。筋肉の減少(異化作用)を予防するために、ホエイプロテインを摂取します。

 

ホエイプロテインは、筋肉の合成を促す必須アミノ酸が豊富です。しかし、ホエイプロテインだけでは筋肉が大きくなりません。炭水化物(糖質)をベースに摂取し、必要なたんぱく質を摂るように考えて下さい。

他にも、ビタミンやミネラルも意識しましょう。アスリートは大量の汗をかきますので、多くのビタミンやミネラルを発散してしまいます。基本は食事、足りなければ補助食品で補給しましょう。

 

プロテインは低カロリーですし、たんぱく質はエネルギーに変換されにくい栄養素なので、飲み続けても太れません中高生アスリートで身体の細い選手が、プロテインを飲んでパワーをつけようとしているならば、それは間違いという事です。身体を大きくしたいなら、先ず取るべきは炭水化物で、高カロリー食を意識して下さい。

また、プロテインは低カロリーなので、大人は喜びますが、アスリートの栄養補給にはなりません。試合前後には、高カロリー食を摂るようにしましょう。

 

成長期に重要視する伸長

 

中高生に必要なエネルギーや筋合成についてお話してきました。しかし、中高生に必要なのは、身長を意識した栄養です。筋肉は大学生以降でも増やす事ができますが、身長は成長期にしか伸ばせません。中高生アスリートの栄養を考える上で、「身長を伸ばす」事はとても重要なポイントになります。

 

 

身長を伸ばすというのは、骨を伸ばすという事。骨を伸ばすために必要なのは、主に4つです。

  • 成長ホルモンの分泌を意識する
  • カルシウムと摂る
  • たんぱく質を摂る
  • 睡眠の質と量を確保する

骨が伸びるためには、骨の端にある軟骨を破壊し、骨を再形成していく作業が必要となります。図のように、骨はカルシウムとたんぱく質と水分で構成されています。中高生アスリートは、生活習慣の見直しと、バランスの良い食事に加えてカルシウムやたんぱく質が不足しないように指導します。たんぱく質が大事と言ってますが、たんぱく質を摂取すると、カルシウムを消費するという落とし穴もあります。詳しくは⇒カルシウムとたんぱく質

 

 

プロテインは、成長を止める? 筋肉をつけすぎると、身長が伸びない説です。プロテインを飲むと成長が止まる根拠はありませんが、市販されているプロテインは美味しく飲めるように、数種類の添加物が配合されています。また、価格競争も激しいので、安さとたんぱく質量重視の傾向にあります。

プロテインブームの今、筋トレする大人が増えているので、多くの大人がプロテインを飲んでいます。しかしながら、大人にとって都合の良いプロテインの知識を、そのまま子どもに当てはめるのは、とても怖いです。中高生アスリートに必要なのは、まず自身の体組成を知り、それに見合った栄養を摂る事です。

身長はスポーツにおいてアドバンテージになります。成長を促すためには、カルシウムやビタミンを食事から摂る事も大事ですし、補助として健康食品に頼らざるを得ない場合もあります。

 

中高生アスリートのプロテインまとめ

表面的な内容でありましたが、中高生アスリートに必要な栄養について、述べさせて頂きました。

 

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