イソロイシン

ロイシンは血糖値を下げ、筋肉のエネルギーに利用される

筋肉合成に必要な材料として、必須アミノ酸のBCAA(分岐鎖アミノ酸:バリン・ロイシン・イソロイシン)が重要と一括りにされますが、ロイシン以外のアミノ酸は研究も少なく、不明な点が多いです。

今回は、そのイソロイシン特有の役割について、ロイシンと比較していきます。

イソロイシンの働き

イソロイシンの役割としては、血糖値改善が分かっています。

イソロイシンは、筋肉内に糖(グルコース)の取り込みを促進させ、血糖値を下げてくれます。

イソロイシンを経口摂取した場合、約60分で血液中のイソロシイン濃度が高まると同時に血糖値が下がってきます。

この時、筋肉内に糖を取り込む働きのあるグルコーストランスポーター(GLUT)の1と4に刺激(シグナル伝達)が入り、糖(グルコース)が取り込まれると考えられます。

イソロイシンの特異な点は、

  1. インスリンとは別の経路で血糖値を下げる
  2. 肝臓や脂肪への糖(グルコース)の取り込みは促進されない

という事です。

先ほど出てきたGLUT1と4は、筋肉に多く存在するトランスポーター(受容体)です。

肝臓などには別のGLUTが存在しており、それらにはイソロイシンの刺激は入りにくいと言われます。

さらに驚くべき事は、肝臓での糖新生も同時に抑制しているという点です。

血液中のグルコースが枯渇していた場合、糖以外の乳酸やアラニンといった代謝産物を糖へ変換して糖を産生しようとする糖新生が働くのですが、それを抑える役割も担っているのです。

イソロイシンとロイシンの異なる作用

同じBCAAと一括りにされるロイシンとイソロイシンですが、糖代謝の視点でみると、両者の違いが見えてきます。

ロイシンとイソロイシンは、双方ともに血糖値を改善し、糖尿病を予防する効果が期待されています。⇒プロテインと血糖値

しかし、血糖値を下げるプロセスが異なります。

ロイシンは、膵臓から分泌されるホルモンのインスリンを刺激しインスリンの働きで血液中の糖(グルコース)を筋肉や肝臓に取り込みます。

一方、イソロイシンは、筋肉のグルコーストランスポーターを刺激し、トランスポーターの働きで血液中の糖(グルコース)を筋肉へ取り込みます。

さらに、ロイシンのプロセスで取り込まれた糖は、グリコーゲンとして蓄積されますが、

イソロイシンのプロセスで取り込まれた糖は、エネルギーとして利用されるという違いも分かってきました。

イソロイシンの働きまとめ

たんぱく質は糖代謝にも働いていることから、プロテインを摂取することは、生活習慣病の改善に役立つと考えています。

 

【参考文献】
吉澤史昭. イソロイシンの糖代謝調節作用と臨床応用の可能性. 生化学第86(3),pp. 345-351.2014.

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