プロテインは体脂肪率を低下させるが、コレステロールの蓄積は抑制しない

 

プロテインを続ける方は、体脂肪率が落ちた方も多いと思います。しかし、その理由について説明出来る方は少ないかもしれません。

脂肪を落とそうと思えば、低糖質・低脂肪の食事を摂るか、30分以上の有酸素運動を行う必要があります。

なぜプロテインを飲み続ける(暴飲暴食しないなどの条件つき)だけで体脂肪が落ちてくるのでしょうか。

今回は、プロテインが食後血糖を抑制するように、食後脂肪の吸収も抑制しているのではないかという論文から、仮設を検証していきます。

 

トリグリセリドとコレステロールの違い

トリセリグリドとコレステロールの役割

まず、脂肪は大きく分けて4つに分類されます。

  • トリグリセリド
  • コレステロール
  • 遊離脂肪酸
  • リン脂質

中性脂肪とコレステロールを同じように考えている方が多い印象ですが、その役割も異なります。

中性脂肪の90%はトリグリセリドなので、中性脂肪といえばトリグリセリドです。

トリグリセリドは、エネルギーとして消費される脂肪で、普段は肝臓や皮下組織に蓄積されています。

一方、コレステロールは肝臓で生成される脂肪で、ビタミンやホルモンを作るために必要です。

一般的に、「LDLコレステロール、HDLコレステロール」と聞きますが、これは脂肪というよりタンパク質+脂肪になります。

大人になると負のイメージが多い脂肪ですが、エネルギーの貯蔵庫としては、グリコーゲン(筋肉などに貯蔵されるエネルギー)の約6倍エネルギーを貯蔵できます。

数ヵ月間食べなくても生きていけるのは、脂肪にエネルギーを蓄えているおかげです。

 

トリグリセリドとコレステロール代謝

トリグリセリドとコレステロールの代謝

 

食事に含まれる脂肪は分解されて腸管から吸収されます。

脂肪は水に溶けないので、血液で全身に運ぶためには、輸送船となるリポタンパク質が必要です。

腸管から血液へ運ぶリポタンパク質を、カイロミクロンと呼びます。

肝臓に運ばれた脂肪は、中性脂肪(主にトリグリセリド)となり蓄積されます。

 

中性脂肪の代謝

空腹での活動や、長時間の有酸素運動を行うと、グリコーゲン(筋肉に貯蔵されるエネルギー)の枯渇が枯渇してエネルギー不足になります。

エネルギーを補うために、肝臓や皮下組織に蓄えられた脂肪(トリグリセリド)がアドレナリンやノルアドレナリンの作用により分解され、血液中に放出されます。

エネルギーが枯渇した部位(その細胞)へ、LDLコレステロールやアルブミンと結合して届けられ、消費されます。

全身の組織で余った、または消費されなかった脂肪は、HDLコレステロールに回収されて、肝臓へ再び戻されます。

大した運動も行わず、高脂肪の食事ばかり摂っていると、脂肪が余った状態となり、肝臓や皮下組織へ蓄積していきます。

 

プロテインの抑脂肪効果

プロテインの脂肪抑制効果

なぜプロテインを続けると、体脂肪が落ちるのかを検証した研究が2019年に報告されました。

研究者のAnn氏は、ホエイプロテインが、脂肪の吸収を抑えているのではないかと考えたようです。

メタボの方を対象に、食前にホエイプロテインを摂取させて、食後の脂肪に関わる遺伝子の発現を調べました。

結果は、食前のホエイプロテインは、脂肪の吸収は抑えていませんでした。

ダイエットを目的としてプロテインを摂取している方の期待に添える結果ではありませんでした。

一見、意味のない研究だと考えられがちですが、今回のようなネガティブデータの蓄積はとても大事です。

 

プロテインと脂肪蓄積まとめ

 

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