クレアチニンと尿素窒素を把握する
筋トレを行っている方は、どの指標を用いて筋肉の状態を確認されていますか。
筋肉の外観、ウエイトトレーニングの負荷量、体組成計、周囲計がメインだと思いますが、検診で年1回行われる血液検査も注目して欲しいと思います。
詳しく解説します。
クレアチニンは、筋肉の代謝産物です。筋肉内では、クレアチンリン酸として保存されており、必要な際にエネルギーとして利用されます。おもに、無酸素運動で利用されるので、筋肥大を目的とした高負荷トレーニングの場合は、クレアチンリン酸が利用されます。
利用されたクレアチンリン酸は、クレアチンとクレアチニンに変換されます。クレアチンは、再利用されますが、クレアチニンは尿へ排泄されます。
尿素窒素は、たんぱく質の代謝産物です。たんぱく質が足りない状態で筋トレした場合や、逆にたんぱく質を摂りすぎて余った場合、アミノ酸は分解されます。アミノ酸の体内貯蔵量は限られており、過剰なアミノ酸は排泄する仕組みになっています。
アミノ酸が分解されてアンモニアが発生しますが、無害な尿素へ変換され尿へ排泄されます。
尿素窒素とクレアチニンは、腎機能の検査に用いられます。クレアチニンもBUNも高い値を示す場合は、腎機能障害が疑われます。
筋トレを行う方にとって、尿素窒素とクレアチニンは、両方の値をみることで筋肉の状態を把握できます。
尿素窒素
たんぱく質が過剰に摂取された結果、尿素窒素が上昇することがあります。
クレアチニンの値は変わらないのに、尿素窒素が上昇した場合には、筋肉の分解(サルコぺニア)が進行している事も疑われます。
たんぱく質摂取量や、プロテイン摂取量を見直しましょう。
クレアチニン
クレアチニンは、平均筋肉量を確認するのにも有用です。クレアチニン×100の値が、体重(kg)を上回っていたら、筋肉が増えたと推測できます。
明らかに筋肉量が増えているにも関わらず、クレアチニンの値が増えないもしくは逆に減った場合は、脱水を起こしている可能性もありますので、水分を多めに摂取して下さい。
BUN/Cr比
この値が20以上の場合は、注意が必要です。
筋肉の合成に必要なたんぱく質(アミノ酸)が、筋肉ではなく、生体活動のエネルギーに利用されている可能性があります。
原因は、糖質や脂質が足りてないと考えられるので、糖質や脂質を摂取しましょう!